日本株「乱高下」のメカニズム、投資家の活路となる米国株・ドル円相場の視点Photo:JIJI

7~9月期の日経平均株価は、主要先進国の株式相場の中でも、突出した乱高下ぶりだった。それまでの日本株高を正当化する論調がグダグダになり、情報面でも混乱しやすい場面である。しかしこれは、米景気・金利が陰る局面に想定された順当な展開といえる。日本の投資家として、まだ続き得る波乱へ備え、活路を見いだす上で、自国株の変動メカニズムをきちんと理解しておきたい。(楽天証券グローバルマクロ・アドバイザー TTR代表 田中泰輔)

日本株の相場変動の大半は
「ドル円×米国株」で説明できる

 日本株はこの7~9月期にひどい乱高下を見せた。図表1は、米欧英日の代表的な株価指数(自国通貨建て)の推移を示している。日経平均株価は上にも下にも突出した振れ方を見せている。言い換えると、飛び抜けて高リスクということだ。日本の投資家が翻弄されるのも当然だろう。

 しかし、この乱高下は、米国で景気が陰り、金利が低下していく局面において、想定された展開でもある。筆者はかねて、日本株の相場変動の大半は、「ドル円×米国株」の相乗作用によって説明できることを示してきた。それがまさに昨今の波乱相場をもたらしている。

 次ページでは、22年以降の相場を振り返りつつ、今回の乱高下の相場をドル円と米国株の視点から検証していく。