気候変動は「でっちあげ」?
トランプ第2次政権で「大転換」は起きるか
2023年の温室効果ガスの世界排出量が過去最多(UNDP(国連開発計画)発表)を記録し、今年の世界気温がほぼ確実に過去最高になると米国海洋大気庁やEU(欧州連合)気象情報機関が発表する中、気候変動を「でっちあげ」、あるいは「史上最大の詐欺の一つ」と呼ぶ人物が、まもなく米国第47代大統領に就任する。
米大統領選挙で勝利したトランプ前大統領は、選挙公約などでパリ協定からの再離脱やバイデン政権の気候変動政策の核となっている「インフレ抑制法(Inflation Reduction Act: IRA)」の見直しなどを掲げてきた。ペンシルベニア大学の著名な気候科学者マイケル・マン氏は、「トランプ氏が2期目の大統領に就任すれば、この10年間の有意義な気候変動対策は終わり、気温上昇を1.5度未満に安定させることは恐らく不可能になる」と述べている。
この政権は、気候変動問題への米国と世界の取り組みに破滅的な結果をもたらしかねないという懸念が強まる。
第2次トランプ政権下で、米国の気候変動政策はどこまで後退するのか。その動向は米国だけでなく、世界に影響を及ぼす。
だが、トランプ氏が掲げる気候変動対策の大転換は公約通りに本当に動き出すのかどうかははっきりしないところがある。
足元の共和党などでも反発や抵抗があるからだ。