情報収集のやり方は
「企業規模」で変える

 実は情報収集のやり方は企業規模によっても変わる。大企業の場合は独自に採用ページを制作するなどして情報が充実している。

 だが発信されている情報は、対外的によく見せようとしているものが多い。「インターンシップや会社説明会だけでは実態がつかみにくいので、他の手段も講じて情報を追加収集することをお勧めする」(安藤氏)

 一方、中小企業やベンチャー企業では、インターンシップの内容がより実務に即した実践的なものになりやすい。採用活動に大手ほど予算やマンパワーをかけられないため、就活用の特別なプログラムを作成しないことがあるからだ。

 実際に1週間働いたり、商談に同行できたりすることもある。

「企業の商談は、扱う商材の金額に差こそあれ、中身に大きな違いはないので、商談というビジネスが動く生の現場を体験できるのは大きなメリットになる」(安藤氏)

 ベンチャー企業の場合は大企業出身者も多く、大企業の仕事の進め方も垣間見られるかもしれない。中小企業やベンチャー企業は無選考でインターンシップに参加できることも多い。申し込まない手はない。

 就活では、並の情報収集では、周りと差が付かない。数ある情報から本当に役立つものを抽出し、自分の足で稼いで実態をつかむことが大切だ。

 就活は今後、どんな人生を歩んでいくのかを考えたときのファーストステップでもある。「この機会に自分のキャリア全体を見通しておくことは、ぜひやっておいたほうがいい」と安藤氏。

 キャリアの築き方は就職関連書籍を読むのがお勧めで、同氏が推薦する1冊は『働く人のためのキャリア・デザイン』(PHP新書)だ。

 未来の予想が難しい時代において、自分に訪れたチャンスを捉え、うまく利用するキャリアドリフトの考え方も大事だが、就職のような節目では自分について振り返り、積極的にキャリアをデザインすることの重要性を紹介した内容だ。

 ただし、こちらの書籍は2002年刊行のため、最新の新卒採用における実践的なポイントをまとめているのが、同氏の著書『あたらしい「自己分析」の教科書』(曽和利光監修、日本実業出版社)だ。自分の強みを見つけるためのポイントが詳しく解説されているので一読してみよう。