「入試問題」を入手
親も目を通して“研究”
次に、おすすめするのは「志望校の入試問題」を入手し、目を通しておくことです。
入試問題は、大手塾のホームページから手に入れることが可能です。今の段階で解く必要は全くないものの、どのような問題が出題されているかを確認することで、学習の力の入れどころが分かってきます。
過去に私が行った生徒へのアドバイスを例に挙げて紹介します。
「A君の志望校は、算数の計算の問題数が多く、配点も非常に高いね。計算力をしっかり付けておくとかなり有利になるから、毎日の計算はしっかりとやろう」
「Bさんの受ける学校の国語の出題は、記述がほとんどだ。しかも、解答欄の枠も大きいからたくさんの量を書かなくてはいけないね。模試のやり直しも、記述の部分は丁寧にやろうね」
「Cさんが目標としている学校の配点の特徴は、4教科同一配点だ。好きな教科ばかり勉強するのではなく、バランス良い勉強を心掛けよう」
「D君は、読書習慣がついていて物語文が超得意だね。模試の偏差値では遠いように思うけど、この学校は物語文しか出題されないんだ。武器を持っているのは、中学受験では大きいことだよ。興味が持てそうだったら、お家の人に相談して、春に見学に行ってみれば?」
中学受験で合格に近づくには、戦略と戦術が非常に大事です。全部を完璧に学習できるのは、ほんの一部の受験生なので、多くの子どもにとって力の入れどころを示してあげることは非常に有効です。「小6になったらから〜」ではなく、具体的な会話を通して少しずつ受験生へと変わっていくのです。
親御さんも入試問題を一緒に見てみることをおすすめします。「こんな問題、我が子に解けるのだろうか?」と心配するのではなく、「こんな問題を解けるようになるのだったら、中学受験の勉強には意義がある」というプラスの観点で見て、その気持ちをお子さんに伝えてあげると、毎日の学習の励みにもなると思います。