「一部の利用者が何度も違反を繰り返している」というCEOの発言が大炎上した電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」(Luupのプレスリリースより引用)「一部の利用者が何度も違反を繰り返している」というCEOの発言が大炎上した電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」(Luupのプレスリリースより引用)

電動キックボードのシェアリングサービスのLUUP、スポットワークのタイミーは、もはや“何を言っても炎上”するほど国民の怒りを買っている。こうした企業が批判を受ける理由を分析し、炎上を回避する「たった1つの方法」を紹介する。企業危機管理の専門家でもある筆者が、LUUPやタイミーが国民の怒りを鎮め、“嫌われない企業”になる道筋を提言する。

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日本人がイラッとする「炎上企業」
“たった1つ”の共通点

「日本社会を変える新しいサービス」として期待されていた企業が相次いで炎上している。

 電動キックボードのシェアリングサービス「LUUP」は、利用者の交通違反件数が高止まりをしていることを受け、岡井大輝社長がインタビューで、「一部の利用者が何度も違反を繰り返している」と発言したことが切り取られてボロカスに叩かれた。

 スポットワーク大手のタイミーも11月上旬に、「闇バイト」が疑われる求人や、反社会的行為につながっていそうな求人が、事前確認なしに掲載されていたことが発覚して批判を浴びた。

 さらにフリマアプリ大手のメルカリも、ユーザーから「詐欺」「窃盗」の被害相談があったにも関わらず、メルカリ側が対処してくれなかったという被害告発があって、大きな話題になった。

 また、ちょっとテイストの違う話ではあるが、フェイスブックを運営するSNS大手・メタは、有名人を使った偽広告を放置しているとして批判を浴び、実業家の前澤友作氏に提訴されたことも記憶に新しいだろう。

 これらの「炎上企業」には「提供しているサービスや技術が悪用されている」という共通点がある。企業自体は特に違法なことをしたわけでもないにも関わらず、提供しているサービスが危険運転、交通事故、犯罪、詐欺などにガッツリ使われてしまっているのだ。

 そういう意味では「被害者」という側面もあるのだが、これらの企業に対して同情・擁護の声はほとんど上がらず、怒りと不満だけが膨らんでいる。なぜこんなにも嫌われてしまったのか。

 いろいろな意見があるだろうが、企業危機管理に長く携わってきた経験から言わせていただくと、スタートアップとして急成長を果たした新興企業の対応に、イラっとくる日本人が多いことに起因していると思っている。