2. メンバーに期待する具体的な行動が伝えられていない
2点目は、メンバーに期待する具体的な行動が伝えられていないということです。指示の言語化ができていないわけです。
リーダーが曖昧な指示を出しても、メンバーは何をすればいいのかわかりません。メンバーに「うまくやってね」とだけ伝えるリーダーは多いですが、「うまくやる」は行動ではありませんね。
「一生懸命がんばってほしい」「しっかり仕事をして」といった抽象的な表現では、メンバーはどのように行動すればいいのかがわかりません。具体的な行動指針が示されないと、メンバーは自分なりに考えて動くしかなくなります。その結果、リーダーが期待している行動とはズレてしまうんです。これでは再び「自分でやったほうが早い」と考えるようになってしまいます。
3. メンバーの成長プロセスを明確に捉えることができていない
3点目は、メンバーの成長過程に対する寛容さが足りないことです。そしてそれは、メンバーが成長していくプロセスが見えていないことが原因です。
メンバーが手掛けるとリーダーほどは完成度が高くありません。それは仕方がないことです。経験の浅いメンバーに完璧な仕事を期待する方が非現実的ですね。しかし多くのリーダーは、メンバーにはすぐに自分と同じレベルに達してほしいと思っています。
メンバーは「やるべきこと」を頭で理解していても、実際にそれを一人でできるようになるわけではありません。徐々に身につけていきます。この成長プロセスを明確に言語化できていれば「ちゃんと教えたのに、なぜできないんだ?」とストレスを抱くことはなくなります。
「自分でやったほうが早い」をやめる方法
メンバーに任せられない理由が上記の3点が原因であれば、それらに対処すれば任せられるようになるということです。対処法として何をすればいいのでしょうか?
まずは、「メンバーに対する期待値を明確に言語化すること」です。そして、「メンバーが実行するべきアクションを明確に示すこと」、最後に「成長に必要な練習問題を課すこと」です。