ベストセラー『「悩まない人」の考え方』著者の木下勝寿氏が「マーカー引きまくり! 絶対読むべき一冊」と絶賛する本がある。『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。著者の森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのは、FIDIAグループの一つで、人材派遣・紹介を行うEvand株式会社の中村洸登氏。2019年に新卒として入社し、新卒入社後は新卒採用担当として250名採用を達成し、2020年には新卒紹介事業の立ち上げに抜擢。
事業立ち上げ3年目で黒字化し、現在4年目でチーム人数10名、売上1億円に成長している。今回は中村氏に、本書のテーマでもある「シンプルな最強の採用戦略」について、本には記されていないエピソードも交えて話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「欲しい人材に来てもらえない」経営者が見落としている2つのポイントPhoto: Adobe Stock

ストレートな社長の思いに心を奪われ入社を決意

――会社説明会に50人連れてきたことがきっかけで、森社長とお食事会に行かれたんですよね。本にはないエピソードを中心に聞かせてください。

中村洸登(以下、中村):食事会のときは、とにかく緊張していました。
森社長と西社長とは、初めてその場で“本気”で話をしたんです。

でも、お二方は私に対して、友達とおしゃべりするように話してくれたので、友達と食事している感覚でした。
「社長だぞ」っていう感じは、正直全くありませんでしたね。

とにかく距離の詰め方がとても上手で、30分もすると緊張がほぐれていったのを感じました。
やり取りをしている中で、すでに心が奪われていました(笑)

――中村さんが抱いた森社長の印象を教えてください。

中村:未来に対してのコミットや、仲間に対する思い。そういうものを感じ取ったと同時に、私の人生像に突き刺さった感覚がありました。

私も仲間が大好きで、友達と一緒に経営をしたいって大学のときに思っていたので、それを体現している方が目の前にいるって思うと、かっこよくてしょうがなかったです。

だからこそ羨ましくて、なんだかちょっと悔しい気持ちすら湧きました。

――食事会の中ではどのように入社を促されたんですか?

中村:森社長と西社長が、会社のこれからのビジョンを熱く語ってくださったんです。

私はこのときに、3社から内定をもらっていたのですが、その時点では第一志望はありませんでした。

そんな中、FIDIAに入社する決定打になったのは「この人の元で働いたら、未来がすごく面白くなる」って、話を聞きながらワクワクが止まらなかったんです。

自分が新卒のときに“生涯年収3億円”と言われる=3億円を、どこの会社に投資したら倍になるんだろうっていわれていて、これはある意味、投資ゲームと同じだと思っていました。

そうなったときに「この社長に賭けてみたい」って思って、翌日には内定先の3社を全てお断りして「自分の人生、ここに賭けます」って森社長に連絡したのが、入社までに至るエピソードですね。

焼肉屋で食事をしたことは本書に記されていますが、緊張やらワクワクやらで、焼肉の味自体は覚えていません(笑)
ただ、お二方にいただいた言葉は全部心に残っていますし、あのときの光景はずっと目に焼き付いています。

どうしても入社してほしい人材と出会ったときには、率直に「あなたに入ってほしい」と伝えることが大事だと、スタートアップ芸人には記されています。
とてもシンプルですが、効果はすでに今の私で検証されている、最強の採用戦略だと思います。

今回のお題である「優秀な人材が入社を決める決定打」に答えるとするなら、一つ目はワクワクを感じられるか。二つ目は人生を賭けたいと思える社長像であるか、というところでしょうか。

本書には、ストレートな気持ちを持った森社長が、新しい仲間を集めていくエピソードやノウハウが満載なので、その点に着目しながら読んでいただきたいですね。

(本原稿は、森武司著『スタートアップ芸人 ―― お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』に関連した書き下ろしです。)