幸福度を高めるには
年収よりも「お金の管理」
日本では会社の総務に任せっきりで、特に多忙な年度末に確定申告する雑務は、とても大きな負担になり計算ミスや控除忘れもしやすくなるでしょう。経験もお金の知識もない人にはなおさらそうかもしれません。
でも、もし小さい時からマネー教育を受けていて、社会人一年目から自分で申告していれば、実践的にお金の管理能力が高まり、金銭感覚も身に付くのではないかと感じました。お金の管理ができるようになれば、投資も上手くいくのかもしれません。
ファイナンシャルウェルビーイング(お金に関して不安を解消、充実した生活を送る)を日米の中間層で比較すると、米国のほうが高いという調査結果があります。
その内容は、年収よりも、経済的「ゆとり感」が幸福度に影響を与えているのです。つまり一生懸命、年収を増やすことを考えるよりも、主観的な家計収支の管理をしたり、将来の家計の計画を立てたり見通しを考えることのほうが幸福度が高まるというものです。
米国人同士で比べても、借金や資産などに関して、より詳細な計画を立てている人は、そうでない人に比べて3倍も幸福度が高いという結果もあります。
18歳以上の米国人2034人を調査した米Empower「ファイナンシャル・ハピネス」調査(2023年)によると、73%が、「しっかりとしたファイナンシャル・プランがあれば幸せになれる」と考えているそうです。実際、毎月ちゃんと住宅ローンを返済し、自分らしいリタイヤを迎えることが年収の高さよりも幸福度を大幅に向上させています。
日本でも、年収や財産の額の多寡よりも、「家計の管理ができている」といった主観的に経済的ゆとりがある感覚こそが、ファイナンシャル・ウェルビーイングに影響を与えることがわかっています。
確かに、筆者も毎月の住宅ローンの返済を滞りなく終わらせたり、毎年高い学費をきちんと払えた後は、それ以前よりも自信がつき、自己肯定力が上がりました。