1月14日、東京海上ホールディングスの新社長に常務執行役員の小池昌洋氏が昇格すると発表された。かねて候補者の1人であり、サプライズはないが、年齢は53歳と金融機関で最年少トップの誕生となる。そこで連載『ダイヤモンド保険ラボ』の本稿では、東京海上グループの次期トップとなる小池氏の人物像や社内の受け止めについて詳述する。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
東京海上ホールディングスの新社長に
金融機関最年少53歳の小池氏が就任
Q 1月14日、東京海上ホールディングス(HD)の小宮暁社長の交代が発表されましたね。
A 小池昌洋常務執行役員が社長に昇格することになりました。現在、小池氏は米国に駐在し、中南米地域などを担当しており、6月の株主総会を経て持ち株会社の社長に就任します。
Q 一昨年末とは違って、今回の社長交代は順当でしたね。
A 確かに、2023年12月20日の東京海上日動火災保険の社長交代はサプライズでした。広瀬伸一社長(当時)が通常任期の1年早い5年で交代することになっただけでなく、後任の城田宏明氏は役員になってからわずか2年での社長昇格でした。しかも、33人抜きの大抜擢でしたからね。(参照:保険ラボ23年12月25日『東京海上日動「33人抜き」のサプライズ社長交代、次の注目はHDの次期社長人事』)
Q その会見時に、小宮氏は「6年周期だと同じタイミングでの社長交代になってしまうので、広瀬氏を1年前倒しで交代した」と発言しています。
A その通りです。ですので、1年が経ったこのタイミングでの持ち株会社の社長交代は既定路線でした。また、小池氏は後任候補として有力視されていましたので、サプライズではありませんでしたね。
Q 今回の会見で小宮氏は、「海外でのM&Aを通じてグローバルなリスク分散を行い、グループ一体型経営を行ってきたことで成長してきた。グローバルのトップティアに手が届くところまできたが、まだまだこんなものではない。さらなる成長に向けて変革のギアを上げて、真のワールドクラスの企業を目指す。そのためには、従来の延長線上ではない取り組みが必要だ。そこで適任なのが、小池氏である」と発言しています。
A 小宮氏が社長に就任した19年当時は、修正純利益が約3000億円、修正ROE(自己資本利益率)は約7.2%でしたが、現在は同約1兆円、同約19.5%にまで成長しています。そうした中で、次期トップには「高い専門性と変革に必要なコミュニケーション能力、情熱が必要であり、小池氏が適任だと考えた」と小宮氏は発言していますね。
Q 小池氏のパーソナリティについては後ほど伺うとして、まずは金融機関で最年少となる53歳でのトップ就任となりますが、小池氏の社長就任について、東京海上社内の受け止めはいかがですか。