営業が強い体育会系の社風。自動車保険や火災保険といった商品での差別化がしにくい損保業界では営業合戦が熾烈で「人間力」で勝負する営業マンが重宝される。一方で、組織のルールから逸脱する「目立ちすぎる」社員も活躍しにくい。損保業界で出世するのは、ズバリどんな人材か。大手4社の社風の違いは?業界を20年以上取材する本誌の超ベテラン記者が、会社選びのポイントを伝授する。

元気が良いけど目立ちすぎない
損保業界で出世しやすい社員の条件とは

 就活生から人気が高い損保業界。中でも、常に上位にランクインするのが東京海上日動だ。売り上げに相当する正味収入保険料は2兆4179億円(2024年3月期)で業界トップ。年収も30歳で1000万円と高待遇でもある。年収だけで選べば、東京海上が人気なのもうなずける。
 
 しかし、就活で企業選びをする際に重要なのは待遇だけではない。トップ企業の社員として働くことが合っている人材だけではなく、2番手、3番手からトップを狙う逆境魂が性に合うタイプもいる。そうした自分との相性も、就活において重要なポイントだ。「同じ損保大手といっても社風はさまざまです。親会社が同じ三井住友海上とあいおいニッセイ同和でも、実は社風は異なります」(藤田記者)

 一方、業界全体で共通する「求められる資質」もある。積極的に営業をする溌剌さを持ち合わせながら、組織のルールから逸脱しない「いい子」であることも求められるのだ。そうしたOB訪問では聞けない就活のリアルな実態を、業界を20年以上取材する本誌の超ベテラン記者が解説する。

藤田章夫(ふじた・あきお)
ベンチャー企業を経て、1999年ダイヤモンド社入社。書店・取次営業に従事し、06年週刊ダイヤモンド記者。保険・ノンバンク、電機、証券業界を担当し、14年に金融・マクロ経済担当の副編集長。弊誌の伝統「保険特集」は12年連続で担当中。保険特集の他に手がけた特集は「不動産投資の甘い罠」「ソニー消滅」「実家の大問題」など。カラオケ好き。愛犬はヨークシャテリア。