帝国データバンクが14日に発表した「全国企業倒産集計」によれば、2024年の企業倒産(負債1000万円以上、法的整理のみ)は9901件発生し、前年(8497件)を16.5%上回り、2022年から3年連続の増加となった。懸念された年間1万件台は回避したものの、2013年(1万332件)に次ぐ11年ぶりの高水準となった。企業倒産はコロナ禍前半の歴史的な低水準を経て、増加傾向が鮮明となっている。(帝国データバンク 情報統括部 情報編集課長 内藤 修)
MSJ資産管理や船井電機など
負債100億円超の大型倒産は10件
月別推移を見ても、2024年12月は848件(前年同月比5.2%増)を数え、2022年5月から32カ月連続で前年同月を上回った。この結果、連続増加期間はバブル崩壊後の1990年10月~93年4月の「31カ月」を超え、過去最長を更新した。物価高、人手不足、後継者難に、新型コロナ支援策の終了やゼロゼロ融資の返済負担も加わり、企業倒産は負債5000万円未満の小規模事業者を中心に緩やかな増加が続いている。
負債総額は2兆2197億8000万円(前年2兆3769億300万円)となり、3年連続で2兆円を超えた。国産リージョナルジェット機「スペースジェット」開発で知られた「MSJ資産管理」(旧:三菱航空機、負債6413億円)が負債総額全体の約3割を占めたほか、FUNAIブランドで知られるAV機器メーカー「船井電機」(同469億6400万円)をはじめ、負債100億円以上の倒産が10件発生した。
年末から年始にかけても、話題性のある倒産が相次いだ。中古車販売最大手「ビッグモーター」を運営していた「BALM」は、主力事業を別会社へ承継後、負債831億円を抱えて12月2日に民事再生法を申請した。受験シーズン直前の1月4日に突然、破産準備入りのニュースが広まった、国公立大学や医学部向け大学受験予備校「ニチガク」運営の「日本学力振興会」は、1月10日に自己破産を申請した。今なお異例ずくめの展開をたどる船井電機の破産事件以降、企業倒産を報じるニュースが明らかに増えている。