倒産の形態別では、最多が「破産」の147件(構成比95.4%)と圧倒的に多い。「特別清算」5件と合わせると消滅型が152件(同98.7%)を占める。一方で、再建型の民事再生は2件にとどまり、信用を棄損したコンサル会社の再建は難しいことがわかる。
負債額別では、負債総額1億円未満が134社(構成比87.0%)で、平均負債額は8300万円(前年比29.6%増)。コンサルタントの倒産は、小規模が大半を占めている。
従業員数別でも5人以下が143件(構成比92.8%)を占める。安易に新規参入しても、知識が陳腐化し、人脈と金脈が尽きるとすぐに行き詰まる中小コンサルタントの実態が浮かび上がる。
2024年最大の倒産は
補助金申請で急拡大のコンサル
2024年の「経営コンサルタント業」の最大の倒産は、大阪地裁に破産を申請した北浜グローバル経営(株)(TSR企業コード:576763128、大阪市北区)の負債20億5300万円だった。
2012年10月設立で、中小企業向け経営支援や補助金支援などのコンサルティングを手掛けていた。金融機関などと業務提携し、各分野の専門コンサルタント在籍を強みに、関西を中心に知られる存在だった。
特に、コロナ禍以降は、ものづくり補助金やIT補助金などの申請支援の依頼が増加し、売上高は2022年3月期の23億8800万円から2023年3月期は35億8583万円に拡大していた。この時期に人材採用を積極的に進め、本社もJR大阪駅前という一等地の大阪梅田ツインタワーズ・サウスに移転した。
ところが、人員増や本社移転が裏目に出た。経費が急膨張するなか、事業再構築補助金の審査の厳格化などで案件の進捗遅れが頻発。業績の落ち込みで一気に資金不足に陥り、破産申請に追い込まれた。
M&Aを活用して
急拡大していたが…
2024年2月に破産開始決定を受けたANEW Holdings(TSR企業コード:025806572、東京都千代田区)の倒産も話題になった。
同社は2017年9月に設立され、当初は海外進出支援や経営コンサルティングなどを手掛けていた。その後、後継者不足に悩む中小企業をM&Aで子会社化し、グループ化によるシナジー効果と収益向上を目論んでいた。
だが、急速なグループ拡大で資金需要が膨らんだが、金融機関からの借り入れや増資などによる資金手当てが追い付かず、経営に行き詰まった。「紺屋(こうや)の白袴(しろばかま)」なのか、それとも別の意図が空回りしたのか…。