日本には昔から
「推しの文化」がある
簡単に買い物ができるだけでなく、テレAI最大の特徴は、エンターテインメント性の重視にある。有名俳優やタレントが本人の声で買い物を案内してくれるのだ。自分の「推し」の声を聞きながら買い物を楽しめるよう工夫されている。

「日本には以前から『推しの文化』というものがあります。自分の贔屓(ひいき)のアーティスト、タレントを応援したい方が、いま増えているのです。ファンの方でしたら、自分が応援するタレントの声が聞けたらうれしいでしょうし、買い物をしたい気持ちも高まるでしょう。スマホやパソコンが使えず、家族に頼んでいた通販が、自分でできるようになるかもしれません。単に物を買うのではなく、楽しみながら買い物ができる。そういった環境を“推し活コマース”と名付け、広めていきたいと考えています」
推し活コマースの一例を紹介しよう。
青汁で有名なアサヒ緑健は、歌手の田原俊彦さん(トシちゃん)との公式コラボパッケージの販売に推し活コマースを活用した。
注文の電話をかけると、トシちゃんの音声が購入の案内をしてくれるため、ファンは大喜びの状態。音声を聴きたいファンが続出しているという。
「健康食品である青汁の購入層が、慣れ親しんでいる電話を使って推し活コマースを楽しめることもあり、お客様に好評のようです。ボイスコマースに推し活をプラスして成功を納めた好例です」
機会損失を減らし経費も削減
導入メリットも
テレAIは、導入企業の経営面にもメリットをもたらしている。
その理由は、業務の効率化。通常、通販の注文はコールセンターが担当しており、受注にはオペレーターが必要である。注文の多寡によってオペレーターの労働時間はまちまちで、短時間で済む場合、長時間かかる場合などさまざまだ。さらにこんな問題もある。