働き方改革、裁量権の付与…
上位企業の特徴とは?

 ランキングのトップ5を見ると、1位電通、2位セールスフォース・ジャパン、3位三井物産、4位電通総研、5位マクニカだった。

 電通は前回の3位から順位を上げ、今回初めて1位を獲得した。寄せられたクチコミからは、労働時間や休暇取得が厳格に管理されるなど、働き方が大きく改善されていることが分かる。

「以前の会社イメージと全く異なり、労働時間や休暇取得に関してシビアに管理されており、極端な長時間残業等はほぼない状況。会社出社も義務ではないため、自宅でのリモートを中心とした仕事形態を選択している社員も大勢いる状況。休暇も取りやすい雰囲気になっており、まとまった休みも気兼ねなく取れる状況になっている」(マネージャー、在籍20年以上、電通)

 実際に、OpenWorkに投稿された平均残業時間は15年度の月46時間から24年度には月34時間へと減少している。また、電通は「働きやすさ」だけでなく、社員の挑戦や積極的な姿勢を称賛する企業文化を持つことや、社会的影響力の大きな仕事に携わることが働きがいにつながっているようだ。

 上位企業に寄せられたクチコミからは、社員が望むキャリアを実現するための仕組みや、上司によるサポートが充実しているのが共通点であることが分かった。風通しの良い職場環境で上司との距離が近いとする声もあり、年次に関わらず意見を言いやすいことが、社員の挑戦や成長を後押ししていると考えられる。

「社内公募制度があり、社内でキャリアチェンジも可能。様々な資格取得に関しても福利厚生でカバーしてくれる。ただ自分から動かないと、成長もキャリア開発のチャンスも勝手に降ってくることは少ない」(バックオフィス、在籍5~10年、セールスフォース・ジャパン)

 上位企業の傾向として、若手のうちから裁量権を与えられることや、自ら手を挙げれば難度の高い仕事に挑戦できる点が特徴的だった。社員の責任感や働きがいが高まるだけでなく、転職が一般的な選択肢となった昨今において、どこでも通用するスキルを着実に身につけられる職場環境が高く評価されていることが分かる。

「自分から手を挙げれば仕事はキリが無い。大手半導体メーカーや、大手顧客と会話する機会も多く、社外から吸収出来ることは多い。扱う数字も大きく、バリバリやりたい人にはオススメ。また各セミナーやディスカッションイベント、展示会、社員の8割が集まる年1のイベントや社員旅行など、社員同士の交流も多く、刺激に繋がる」(営業、在籍5~10年、マクニカ)