飲み会でのセクハラ写真はイメージです Photo:PIXTA

職場でのセクハラ、当人たちが「セクハラだと思っていない」ケースが意外にも多いそうです。職場におけるさまざまなトラブルを解決すべく、危機管理コンサルティング会社の社員たちが“動物アバター”に扮して、井戸端会議方式で解決の道を探ります。(エス・ピー・ネットワーク)

*本記事はエス・ピー・ネットワークからの転載です

B部長と部下である女性社員Cさんの醜態に
周りが「ドン引き」でセクハラを告発

 今回は、社内でハラスメントの相談を受けているAさんからのご相談です。

 聴いてください。先日、ひどいセクハラの相談を受けたんです。
 部署の飲み会で、男性のB部長が、部下である女性社員Cさんに対して、ニヤニヤしながら「何カップ?」と聞いたり、自分の膝にCさんを座らせて「いいケツしてるなー」と言いながらタッチしたり、さらには、何か…大人向けの映像作品について語りだし、「こういうシーンがあって」とCさんに馬乗りになったり…とにかくひどい状態だったらしいんです。
 相談してきたのは、同席していた女性社員のDさんでした。Dさんは、「あんな目に遭って…Cさんが心配で…」と泣き崩れ、私は「Cさんの気持ちに配慮しながら、お話を伺ってみますね。事実ならば厳正に対処しますから」とお伝えしました。
 それで、かなり気を遣いながら、そっとCさんを呼び出して話を聴いたのですが…Cさんはあっけらかんとしていまして。
「飲み会でのB部長ですか?あー、あの日は2人とも相当酔っ払っていましたからねぇ。…膝に座らせてタッチ?うーん、あまり覚えていないなぁ。シーンの再現で馬乗りには…はいはい、ありました!あの映像、私も見ていたんですよ(笑)」
「ぜんっぜん嫌じゃなかったですよ!私、こういうの平気な性質なんで。部長と楽しくじゃれ合っていただけですから!『被害者』なんて、やめてくださいよー(笑)」
 と、全然話がかみ合わないんです。
 飲み会の参加者数名にも、「職場環境インタビュー」と称して、「最近、ハラスメントやコンプライアンス上問題と思われることを見聞きしましたか?」と聞いてみたところ、全員からB部長とCさんの話題が出たので、事実は事実なんだと思います。
 それをもとにB部長にも事実確認をしたのですが、「Cさんは嫌がっておらず、ノリノリで応じていた。ただの楽しい飲み会での1コマだ」と、セクハラは否定しました。
 どう考えても「セクハラがあった」と思えるのに、加害者のみならず、被害者まで否定するんです。これで懲戒は…マズイのでしょうかね?こんなケースは初めてで、困っています。

 むむむ?これは「環境型セクハラ」の臭いが……。対処や再発防止も含めてディスカッションしましょう!