「難関疲れ」と青山学院特需の3日午前

 3日午前の国公立中高一貫校の情勢についてはすでに見た。「高倍率疲れ」も多分に影響していることだろう。では、私立校はどうか。Aランク3校の受験者数合計は、20年2710人から25年2687人と比較的落ち着いている。24年にいずれも1000人超えだった同じ新宿区内にある早稲田[2回]は25年に994人と21人減らし、海城[一般〈2〉]は1021人と16人増やしている。

 5日に二次試験が課される慶應義塾中等部[一次]は23年に大きく受験者数を減らし、24年に幾分戻したものの、25年は50人減の672人となった。20年代では最も少ないことを考えると、これも「難関疲れ」といえそうである。一つの要因として、25年入試は青山学院が2日から3日に入試日を変更した点が挙げられる。

 図3では10校あるBランクのうち、公立の7校については先ほど触れた。残る私立3校では、神奈川男子御三家で、この入試回だけとなる浅野が、相変わらず最多の受験生を集めている。Aランクとなった23年は1399人と減らしたが、24年1429人、25年1402人と1400人台を維持している。倍率は24年2.4倍から25年は2.6倍に上がっている。

 千葉の東邦大学付属東邦[後期]は減少傾向が続いている。24年は186人が受けて合格者がわずか9人という過酷な入試だった。25年は159人に受験者数が減り、合格者数が2倍増したこともあり、8.83倍とハードルはだいぶ下がっている。明治大学付属明治[2回]は、20年にはCランクだったが、21年以降はBランクで安定している。24年170人・3.86倍から25年は156人・4.33倍とむしろハードルは上がった。

 25年にCランクからBランクに上がった3校については図3に入れていない。先述した青山学院は20年代で初めて2日から3日に移動、25年は440人が受験して4.04倍と、24年329人・2.91倍、23年362人・3.26倍を大きく上回った。例年2日の受験生が3日に移動してきたにしても、100人以上の増加分には、慶應義塾中等部[1次]明治大学付属明治[2回]などから流れた受験生もいそうだ。

 東京都市大学付属[3回ll類]は、25年95人・3.52倍で、24年117人・3.25倍と難度も倍率も上がっている。東大合格者数を10人に乗せて以来、2月1日午前に初回入試を移すなど、上位校への道を進んでおり、26年には入試のあり方も含め、注目されることだろう。千葉の昭和学院秀英[2回]は、20人の募集に対して25年は133人が受験、15人が合格して8.87倍となった。

 これら3校の受験者数合計は668人となり、24年と比べた減少分を上回る。26年入試は青山学院が2日に戻るので、また元の減少傾向に3日午前は戻ることになりそうだ。