
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3935社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人の実名!上場3935社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#18では、陸運・鉄道業界の報酬ランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
陸運・鉄道業界は年収1億円以上が12人!
JR系はゼロで鉄道からは1社だけの低待遇
鉄道業界の幹部の年収はかなり低い。JR系ですら、一人も年収1億円以上をもらっていないのだ。陸運・鉄道業界では、陸運が圧勝という結果になった。
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。今回は陸運・鉄道業界を対象とした。JR系から私鉄までの鉄道会社に加えて、物流系の企業が属する業界だ。
驚きなのが、鉄道業界幹部の待遇の低さだ。まず、陸運・鉄道業界全体で「年収1億円以上」は12人のみで、全業界平均の33.6人に比べてかなり少ない。その中で、鉄道関連企業の幹部はなんと1人しかランクインしていないのだ。しかも、企業規模では圧倒的に大きいはずのJR系は一人もいない。
第一交通産業、SGホールディングス(佐川急便が傘下)、山九、NIPPPON EXPRESSホールディングス(日本通運が傘下)、福山通運、ヤマトホールディングス、ゼロ、AZ-COM丸和ホールディングスといった企業の幹部たちは、幾らもらっているのだろうか。鉄道系で唯一ランクインしたのはどの会社の幹部なのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。