
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3935社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人の実名!上場3935社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#19では、保険業界の報酬ランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
保険業界は年収1億円以上が11人!
金額、人数共に時価総額とは異なる序列に
保険業界は今、10年に1度の大激変の真っただ中にある。きっかけは損害保険・生命保険で相次いで発覚した不祥事。詳細は『保険大激変 損保の構造的課題が生保にも飛び火!』を参照してほしい。
では、そんな保険業界の大手、東京海上ホールディングス(HD)、MS&AD インシュアランスグループホールディングス(HD)、第一生命ホールディングス(HD)、SOMPOホールディングス(HD)といった会社の幹部は、どれくらいの年収をもらっているのだろうか。
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。今回は保険業界を対象とした。
集計の結果、保険業界で「年収1億円以上」は11人いることが判明した。全業界の平均が33.6人だから、上場企業数が少ないということもあるが、かなり少ない。
そして、集計時点の時価総額を大きい順に並べると、東京海上HD、MS&AD インシュアランスグループHD、第一生命HD、SOMPOHDとなるのだが、役員の年収では人数、金額共に異なる序列となった。また、経済同友会の代表幹事を務め、ビッグモーターに絡む不正を受けて退任したSOMPOHDの櫻田謙吾CEO(最高経営責任者)が上位に入った。
大手保険会社の幹部たちは、幾らもらっているのだろうか。全業界の上場企業の平均と比較して水準は高いのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。