人と猫が快適に暮らせる住まいとは?
四つのポイントと設計アイデア

 本当の意味で、人と猫が快適に暮らせる住まいとは? 絶対押さえておきたい四つのポイントと、大家さん向けの設計アイデアをこっそり教えましょう。

[1]快適なトイレ空間
排せつに関して猫は神経質な動物です。ストレスがあるとトイレ以外で排尿してしまったり、ガマンした結果、膀胱(ぼうこう)炎を発症したりすることも少なくありません。また、猫のオシッコはなかなかニオイが強い…!
〈設計アイデア〉人間のトイレのスペースを通常より広く設計し、壁沿いに複数の猫用トイレ置き場を確保します。24時間換気があれば、ニオイ対策もOK。トイレに流せる紙砂を使っている飼い主は、その場で処理できます。

[2]キャットステップは要所のみ
猫は上下運動を好みますが、キャットウオーク、キャットステップを最初からがっちりと設置してしまうと、家具の置き場所に困ったり、生活の邪魔になったりすることもあります。また、室内飼いの猫は長寿なので、老齢になってくると足を踏み外すこともあり心配です。
〈設計アイデア〉要所にだけステップを設置し、棚やキャット・タワーを使って上がるようにすると、家具を配する際も邪魔になることがありません。こうすれば、不要なときはステップに上がれないような配置にもできます。

[3]窓のある住まい
猫は陽光や風を感じながら窓から外を眺めることが好きです。愛猫が気持ちよく過ごせることが、飼い主さんの幸せですよね。
〈設計アイデア〉リビングやロフトに透明ガラスの窓を採用しましょう。窓辺にはやや高さのあるテーブルを配すると、猫が外を見ながらくつろぐ場所にもなります。なお、開閉する窓には柵を付けるなど、猫の脱走や転落防止への配慮が必要です。

[4]人間のためのエスケープゾーンの確保
アパートでは玄関ドアを開けるといきなり居室といった設計が多いので、猫の脱走が心配です。また、猫との暮らしで避けられないのが、抜け毛問題。猫の抜け毛が飼い主の洋服に付く、食料品スペースなどに入り込んでくるのは、できれば避けたいものです。
〈設計アイデア〉玄関とリビングの間に扉を設け、キッチンを兼ねた3畳ほどの空間を確保します。そこは猫が入れないスペースとして、上着掛けや、食料品のストック置き場などにするといいでしょう。