「威風堂々」「唯一無二」「陰影礼賛」三菱のフラッグシップ、アウトランダーPHEV
三菱自動車のアウトランダーPHEV。
つい先ごろ、同じ三菱のSUV“風”軽自動車に試乗したばかりだが、今度は“風”ではなく本気のSUVだ。しかも車重が軽く2トンを超える重量級。三菱自動車のフラッグシップたるアウトランダーPHEVである。
アウトランダーは当代取って3代目。初代は今からちょうど20年前の2005年にデビューし、続く2代目は2012年から21年まで、10年間の長きにわたり生産されたロングライフモデルだった。現行の3代目は2021年から発売され、3年経った昨年10月に、早くも大幅改良が施されている。今回ご紹介するのは、その“大改良版”の車両である。
キャッチコピーは「威風堂々」。カタログをめくると、以降「唯一無二」「陰影礼賛」「精妙巧緻」「格調高雅」と四文字熟語が続く。尚、不肖フェルの本日の昼食は三田の「中國飯店」で「黒酢酢豚」である。

最大の変更点は「バッテリー」、日常使いはほぼEVと思っていい
最大の変更点はバッテリーだ。容量が20.0kWhから22.7kWhに増加し、それに伴ってEV航続距離が87kmから106km(M以外のグレードは102km)へと延長している。バッテリーだけで100km超の走行が可能なのだ。普段使いで100kmも走ることは珍しいから、日常生活ではほとんどEVとして使用できることになる。使い方によっては何カ月も給油をせずに済んでしまうので、タンク内のガソリンが劣化してしまわないかが心配だ(ガソリンは半年を過ぎた頃から揮発と酸化によりガクッと劣化しますからね)。
バッテリーは単に大きくなっただけではなく、中身も大きく進化している。
電極を高伝導性の材料に変更して内部抵抗を低減させ、従前よりも効率的な充放電を実現している。またバッテリー内部の電流の流れを良くするためにセル同士をつなぐ配線やコネクターの設計が変更され、エネルギー損失を低減させている(コネクター部分は接触抵抗を減らすために、接触面積を大きくしている)。これらの工夫により、バッテリーの内部抵抗は30%の低減に成功している。