大型化されたリチウムイオンバッテリーは、クルマの底部に配置されている。最低地上高を確保するために、マイナーチェンジ前より全高が5mm上がっている大型化されたリチウムイオンバッテリーは、クルマの底部に配置されている。最低地上高を確保するために、マイナーチェンジ前より全高が5mm上がっている Photo by F.Y.

 スマホを長く使う方はお分かりいただけよう。リチウムイオンバッテリーは負荷をかけると熱くなる。充電時も放電時も熱くなる。熱くなるとバッテリーの性能は低下し、本来の性能が出し難くなる。更には寿命も短くなる。だから冷却が重要になる。

 新しいアウトランダーPHEVのバッテリーは、冷却性能を実に50%も向上させている。粘度や熱伝導性が異なる新しいタイプの冷却液を採用し、またその流路も、より効率的に変更されている。この流路設計が振るっていて、セルの温度に応じて、必要な部分に集中的に流れるよう調整が可能なのだ。かくして50%の冷却性能up。結果としてシステム出力20%upの約300馬力。0-100km/h加速は実に2秒も短縮されている。冷却を制するものはバッテリーを制するのである。

アウトランダーPHEVで雪国を目指す

 三菱の技術の粋を結集して造り上げられたアウトランダーPHEV。せっかくの試乗である、街中でチョロっと走るだけでは勿体ない。板を積んで高速に乗ってスキーに出かけよう。

板を積んでスキーに出かけた板を積んでスキーに出かけた Photo by F.Y.

 2人分の板と荷物を積んでスキーに出かけた。

 街中ではほぼ距離通りに減っていったEV走行距離残量計が、高速に乗った途端に大変な勢いで減り始めた。上りの多い中央道下り線だからだろうか、それにしても減りが早い。残り60kmの表示は、30km走ってゼロになった。表示の半分しか走らない。ガソリンは満タン状態だが、せっかくのPHEVなので極力バッテリーだけで走りたい。

 朝食ついでにSAに入った。充電器も良い具合に空いている。コネクターをつないで充電開始。朝からカツカレーを食べてコーヒーを飲んでちょうど30分。ゼロだったバッテリー残量は76%まで充電されていた。

高速のパーキングエリアで充電を高速のパーキングエリアで充電を Photo by F.Y.
30分で76%まで充電された30分で76%まで充電された Photo by F.Y.