たとえば、「友だちになるという“目的”はともかく、フットサルという“手段”が楽しい!」となったほうが、結果的によいということですね。

古川 そう。仕事でたとえるなら、「PVを上げるという“目的”はともかく、SEO対策という“手段”が楽しい!」みたいな(笑)。そのほうが、長い目で見たときによい方向に向かうんじゃないかなって思っています。

 コミュニケーションの方法論について考えるということは、言い換えれば、お互い会社の規模が大きくなってきたということなんでしょうね。小さい規模では自然にできていたことも、大きくなればお膳立てが必要になってきますから。実はビズリーチでも、「熱海で浴衣を着て宴会しよう」っていうイベントをやりまして(笑)

古川 そういうの、いいですね!油断すると、「その宴会の目的は?」とか、「コミュニケーション総量の数値目標は?」とか、「費用対効果は?」とかが出てきちゃうのですが、そういうのでは測りづらいものもあります。浴衣を着て宴会をすることを純粋に楽しい、というのも、コミュニケーションにとってはとても大事なのかなあ、と思います。

目的を決めすぎず、プロセスを楽しむ

 僕は出発点が金融なので、何をするにもビジネスモデルや仕組みづくりで理論武装してからやりたくなっちゃうんですよね。それが、起業後のこの4年間でずいぶん変わりました。最も大きな気づきは、面白い事業は僕だけではできないということです。起業当初の僕は「何をやるか」という目的ばかりを考えていたけれど、この4年で学びながら修正していったんですよね。今、あの起業の時点に戻れたとしたら、僕は絶対に「誰とやるか」を優先します

古川 何をやるかという目的は、けっこう変わったりしますからね。やりながらも変わっていくことがある。目的志向も非常に素晴らしいですけれど、目的がちょっと変わると、それだけで人が離れていってしまいます。