余談ですが、私が大阪で昼の情報番組に出演していた時、スタッフが「雨が降ると視聴率が上がる」と話していました。雨の日は視聴者が外出を控えてテレビを見るためです。この場合も、天気をコントロールすることはできないので、視聴率が良くても割り引いて評価する必要がありそうです。
話を戻すと、ストレッチ予算を決める場合、事前に内部環境がこうなら、外部環境がこうなら、これだけの予算が達成できるということを上司と部下の間で十分に話し合っておかないと、評価する時点でもめる可能性があります。
事前に話し合うことは、部下に戦略思考を身につけさせることにも役立ちます。部下一人一人に細かい内部環境、外部環境を想定することは難しいかもしれませんが、この話は評価のヒントになるはずです。
やる気のない部下を
放置したのは上司の責任
もし部下が予算未達のまま期末を迎えたら、客観的に感情を交えず、「なぜうまくいかなかったのか」を部下にも分析させ、報告させることが大事です。同時に、上司自身も上司の目線で分析して原因をすり合わせます。
例えば、治りにくい病気にかかっていて「体調がすぐれなかった」という理由なら、ある程度は斟酌(しんしゃく)しないといけないでしょう。あまりいい例ではありませんが、自宅が災害に遭って片付けをしたり、家族をケアしたりしなければならず、仕事に全力投球ができなかったという場合も考慮が必要です。
ただ、もちろん体調があまり良くなかった理由が、毎晩飲んだくれていたせいで、二日酔いでパフォーマンスが出なかったというのなら、それは注意をして改善を求めるべきだし、良い評価を与えることはできません。
予算未達の部下の中には、原因の分析をせずに「やる気がそれほど出なかった」で済ませる人もいるでしょう。その場合、上司は「なぜやる気が出なかったのか」「なぜ十分な努力をしなかったのか」ということを具体的に分析して、原因をはっきりさせないといけません。