「こだわりのないこだわり」
川端社長が描く会社の未来
――経営者として、円熟期に達している川端社長。今後、アース製薬をどのように導いていこうとしているのか。

現在、虫ケア用品の売り上げは全体の3割ほどになっています。今後、当社としては「こだわりのないこだわり」という考え方を大切にしていきたいと思っています。 つまり、「虫ケア用品のメーカーであり続けること」に固執するのではなく、社会のニーズに合わせて柔軟に事業を変化させていくということです。
現在は「総合日用品メーカー」として虫ケア用品が中心となっていますが、10年後、20年後には全く違う事業構造になっている可能性もあります。
その一環で、アース環境サービスを中心に総合環境衛生事業に注力しています。食品、医薬品、医療、容器・包材、物流、倉庫など、さまざまな業界において、異物混入や汚染を防ぎ、衛生環境を維持・改善するためのサービスを提供しています。
日本発の革新的技術である酸化制御システム「Matching Transformation System(MA-T(R))を活用するなど、これまで培ってきた技術を生かして新しい展開を目指しています。当社の主要事業の1つとして成長を続けています。
かわばた・かつのり/1971年兵庫県生まれ。94年近畿大学卒業後、アース製薬に入社。2006年広島支店長、09年大阪支店長、12年ガーデニング戦略本部本部長、13年取締役ガーデニング戦略本部長を歴任。14年代表取締役社長、21年代表取締役社長CEO、グループ各社取締役会長。
※4月8日公開の後編では、商品開発の舞台裏を中心に、「こだわりのないこだわり」という矜持を示すアース製薬の経営の真髄にさらに迫っていきます。