メルセデスならCとEの中間に、BMWなら3と5の中間に位置するパサート
F:その市場が豊潤であれば、当然他社も狙ってきますよね。ライバルはどんなクルマになりますか?
八:ダイレクトなライバルは何か?と聞かれると、お答えするのが難しいです。いえいえ、他社さんを気遣ってとかそういう事ではなく、価格とサイズで分けると、カチっと当てはまるクルマが本当に見当たらないんです。価格的に言うとメルセデスのCクラス。BMWの3シリーズ。あとはヨーロッパですからフランス車も強い。プジョーの508なども相関関係にあると思います。
F:なるほどCクラスと3シリーズ。でもあのクラスよりもパサートのボディはもっと立派ですよね。
八:おっしゃる通りです。パサートはメルセデスならCとEの中間に、BMWなら3と5の中間に位置するクルマです。
F:それでいて価格帯はCや3と同等になる。つまりはお買い得である、と。
八:その通りです。お得感がある上にデザインを柔らかい方向に振ったので、大きくなった割に押し出し感があまり強くない。何しろ全長は5メートル近くありますからね。伸びやかでエレガントな感じをご評価いただいて、売れ行きもスタートから好調です。
新型パサート、日本での売れ行きは?
F:日本でも売れていますか?
八:おかげさまで好調です。我々にとってはかなり高価格帯のクルマになりますので、バンバン売れるというわけにはいきませんが、それでも予想を上回るペースで売れています。
F:それは喜ばしい。

八:出し方も変えました。前モデルは四駆が欲しければオフロードっぽいオールトラックを選ぶしかなかったり、PHEVが欲しかったらスポーツバージョンであるGTIの派生種のようなGTEという形になってしまったり、といろいろな制約があり、「普通のパサートでディーゼルに乗りたい」、あるいは「普通のパサートで四駆に乗りたい」というお客様のご要望にお応えできていませんでした。今回はすべてのエンジン、すべての駆動方式を“パサートだけ”でカバー出来るようにしています。