パサートは中国とヨーロッパでたくさん売れている

 同じフォルクスワーゲン製で、世界中で売れているパサートが、日本でいまひとつパッとしないのは、ボディサイズによるものだろうか。

フォルクスワーゲン グループ ジャパン ビジネスオペレーション本部 プロダクト・マネジメント課 シニアプロダクトマネージャー 八木亮祐さんフォルクスワーゲン グループ ジャパン ビジネスオペレーション本部 プロダクト・マネジメント課 シニアプロダクトマネージャー 八木亮祐さん Photo:AD Takahashi

F:ゴルフに次いでパサートも大変な数が売れている。これは意外と知られていないことですよね。特に日本にいると、それほど見かけるクルマではありませんから、余計に意外性がある。どこでそんなにたくさん売れているのですか?

八:圧倒的に多いのは中国です。パサートの5割が中国で売れています。あとはやはりヨーロッパが強いですね。ヨーロッパではカンパニーカー※としての需要がとても強い。

F:や、なるほど。カンパニーカー需要。

※カンパニーカー(Company Car)制度…企業が従業員に対して、業務や私用で使用するクルマを提供する制度。ヨーロッパで広く普及している。企業が車両を購入したり、リースを受けたりして、従業員に貸与する。燃料費、保険、メンテナンス費用も企業側が負担するケースがほとんどだ。当然給与の一部と見なされ、「現物給与」として課税対象になる。

八:ヨーロッパではその需要がとても強いです。カンパニーカーとして評価されると数が出る。

F:カンパニーカーはセダンというイメージがありますが。ステーションワゴン一本に絞ってしまって大丈夫なのですか?

八:あの制度は、企業が「これに乗りなさい」と一方的に買い与えるのではなく、割と自由に乗る側が選べるんですよ。もちろん部長だ課長だと役職によって選べるクラスは変わってくるのですが、一定の条件で私用も認められているので、ボディタイプは比較的自由に選べます。最近は現地でもステーションワゴンを選ばれる方が多いと聞いています。造る側とすれば、カンパニーカーとして選ばれるために、相当力を入れていると言うことができます。