こうした感覚は、脳に心地よさを生み出します。その結果、気持ちがリラックスして心身は健康になります。ですから、われわれは本能的にいいリズムを求めます。「リズムを感じる」と思わず、そのリズムに合わせて体が動く、踊り出す、歌い出すというのも、リズムを体が求めているからです。
いい「リズム感」を磨きながら
老化負債の早期返済を目指す
われわれの生活のルーティンのリズムは、1日24時間、1週間7日間、1年間365日の中で波の動きを示します。
たとえば血圧も、朝に高く夜寝ている時に低くなります、仕事が始まる月曜に高い人が多く、週末には下がる人が多いです。また、夏に比べて冬に高くなります。季節の移り変わりを通じて、温度、光の量は変わり、それを体は敏感に感じ取って調子が変わります。それぞれの周期の間隔で、3~5回(周期)ほど、自分の習慣行動、自分の体の調子を意識して観察し、そのリズムを知ることをお勧めします。

伊藤 裕 著
わたしたちは、よく体の“調子がいい”あるいは、“悪い”と言います。自分の体調、健康の状態を“調子”、まさに“リズム”として感じています。自分固有の体のリズムは、心身の状態に素直に目を向け常に気を配ることで、初めて知ることができます。自分のリズムを知る、感じ取ることができる能力を、わたしは「リズム感」と呼びます。
いいリズム感を持つ、つまり、ルーティンを守ることによって生まれた自分のリズムを十分認識することができれば、将来どうなるかということをある程度想像できます。これまでの軌跡がこうであったなら、将来はきっとこうなるだろうとあらかじめ予想できるのです。ある程度の「想定」を持つことで、いつもと違うこと、「想定外」のことが起こった時、わたしたちはその変化を敏感に捉えることができます。いつもと違うリズム、音色に気付くことができるのです。
この時が、まさに負債が起ころうとする時です。そのリズムの変調、自分に起ころうとしている異変を、敏感に、自分事として感じ取ることができれば、老化負債の返済に早くから動きだせます。