接種費用は?効き目が持続する期間は?
ワクチンは打った方がいいのか
最近、テレビコマーシャルなどでも目にするワクチンは、どのような人が接種するべきなのだろうか。
「アメリカでは75歳以上の方全員に接種を推奨していますが、日本では主に60歳以上の方が予防接種のターゲットになっています。とはいえ、50歳ぐらいからリスクが増えてくるので、特に基礎疾患のある方は、そのくらいの年齢から接種を検討してもよいでしょう」
60歳以下であっても基礎疾患のある人はワクチン接種の対象となる。基礎疾患がある人とは、心筋梗塞など心臓の病気で薬を飲んでいる人、腎臓疾患で人工透析をしている人、糖尿病の人、肺気腫や喘息などの呼吸器疾患を持つ人が該当する。このほか喘息の人や在宅酸素療法をしている人は接種が必須である。
また、妊娠中の女性もワクチン接種の対象だ。妊娠中の女性がワクチンを打つことで子どもへの感染がブロックでき、子どもから祖父母世代への感染を防ぐことが可能となるからだ。RSウイルス感染症にかかっている高齢者の約7割は孫から感染しているというデータもあり、妊娠中の女性はワクチンを打っておくと安心だ。
医療機関にもよるが、RS感染症のワクチン接種の料金は2万円を超える。しかし、インフルエンザワクチンのように毎年接種するものではなく、1回打てば5年から10年近くは効き目があるといわれており、アメリカではまずは一生に一度接種することが推奨されている。接種を検討している人はかかりつけ医に相談してみるとよいだろう。
(監修/埼玉医科大学医学部国際医療センター感染症科・感染制御科教授 関 雅文)