投資口座を今チェックすべきでない理由Photo:Bloomberg/gettyimages

 きょう自分の証券口座にログインして、後悔した人はあなただけではない。

 資産運用大手の米ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は7日、顧客からの問い合わせが、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年3月以降で最多になったと述べた。フィデリティ・インベストメンツなどの個人向け証券会社では7日午前、ポートフォリオの確認や取引を行おうとする顧客のアクセスが急増し、技術的な障害が発生した。

 研究によると、確定拠出年金(401k)の口座をチェックする頻度が高ければ高いほど、長期的なリターンは低くなる傾向があることが分かっている。

 S&P500種株価指数の下落は、取引が行われる日のほぼ半分で起きる。だからポートフォリオを確認する頻度が高いと、損失を目にする確率も高まる。ドナルド・トランプ米大統領が先週、一連の関税を発表してから損失が広がっている。

 企業の年金制度を調査するアライト・ソリューションズによると、人々が運用する401kプランの資産価値は先週のわずか2営業日で平均7%減少した。個人投資家は株式比率の高いターゲットデート(目的期日)ファンドから比較的安全な債券や現金に資金を移している。

 気持ちは分かるが、必ずしも賢明な策ではない。以下に、ファイナンシャル・アドバイザーがいま念頭に置くべきだとするポイントを挙げる。

現実を見よう

 S&P500種指数が高値から約20%下げた今、多くの人は相場が20%高かった時に感じていたほどリスク許容度が高くないことに気付いている。ニューヨークのゼニス・ウェルス・パートナーズのチェルシー・ランサム・クーパー最高財務計画責任者はそう指摘する。