おなごはパン食い競走に出られない!?
葛藤の端でそっと…NHKがぶっこんできた
お祭り当日。会場は大盛況。そのなかでひとりの女の子・小夏がしょげていることにのぶは気づく。聞けば、パン食い競走に参加できないと言う。のぶと同じであった。
子どもの部くらい女の子が出てもいいではないかとのぶは掛け合うが、「いかんもんはいかん」と聞いてもらえない。せめてこの子にあんぱんを食べてほしいと、自宅へと追加のあんぱんを求めに駆け出すのぶ。
あんぱんは無事に手に入ったものの、釜次が、豪(細田佳央太)にラジオを獲得すべく競走に参加するよう促しているところを目撃してしまう。おなごの自分にはまったく期待されていないことに悲しい顔になるのぶ。
釜次は、ラジオで世界のニュースが聞きたいと夢見ていた。ケガした足が痛くてもラジオがあれば遠い世界に行かずに世界を知ることができるのだ。この年、昭和10年(1935年)の6月、NHKラジオで国際放送がはじまった。
NHKの国際放送略史によれば「短波による国際放送開始 当時の呼称は『海外放送』」とある。釜次のみならず日本国中が国際放送による海外の情報を欲していたにちがいない。さりげなく「放送100年」の記念感をぶっこんでくるNHK。そう、今年2025年は放送100年の年なのである。
亡くなった結太郎(加瀬亮)は海外に仕事に出ていて、海の向こうでは女性も男性と肩を並べて行動している。日本の女性も大志を抱けと言っていた。
海外の情報が日本の誰もの手に入るようになれば、おなごはパン食い競走に出られないなんてことはなくなるだろう。
今日のお手柄は嵩。彼もパン食い競走に出る予定だったが、お腹が痛くなったと言って代わりにのぶに出るよう頼む。仮病であることは明白だろう。もともとインドアの人で運動に興味がなく、競走に出たくなかったこともあるだろうから一石二鳥だったのでは。
さらに、釜次に言われて参加することになった豪も走るのが得意ではなかった。そのことを蘭子(河合優実)に明かす豪。そのため、のぶが活躍する可能性はがぜん広がった。