トランプ関税で株価が大荒れ!NISAで投資デビューした人が今、絶対やってはいけないことPhoto:PIXTA

トランプ大統領の関税政策によって、株式市場が大きく揺れている。投資初心者の中には、元本割れとなって焦りを覚えた人がいるかもしれない。株価が乱高下する今こそ、「投資の鉄則」を心に留めておきたい。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

株価乱高下で「不安になる人」と「気にしない人」
その違いは何か

 トランプ米国大統領の相互関税政策の影響により、4月に入ってから日米の株式相場は乱高下が続いている。値動きの大きさに動揺する投資家も少なくない。

 今回の株価急落以降、私のもとには次のような相談が寄せられている。

「このまま下がり続けるのではないかと思い、投資を続けるのが不安」

「すでに保有している投資信託は、今なら元本割れをしていないので、今のうちに全て売却したほうがいいのだろうか」

「株価が下がっている間は、積み立て投資を中断した方がいいのではと考えているがどうだろうか」

 みなさんの中にも、このような不安や迷いを抱える人も多いことだろう。

 しかし一方で、今回の株価乱高下をまったく気に留めない人や、積み立て額を増やすことを検討している人もいる。正反対ともいえる反応の違いは何か。

 私は「投資を始めた時期」によるところが大きいと考える。

 NISA(少額投資非課税制度)は、2024年1月に大きく拡大し話題を集めているが、拡大以降に投資デビューをした人は今回の株価急落で元本割れをしているケースが少なくない。

 ところが、投資をはじめて5年以上の人、中でも積み立て投資をしている人は、株価下落により含み益が減っているとはいえ、元本割れをしてないケースが多い。

 この5年間で大きく株価が下落する局面は2度あった。

 2020年初頭には「コロナショック」と呼ばれる世界的な大暴落が発生した。また、24年8月には日経平均株価が大暴落し、その後も乱高下を繰り返すということも起こっている。しかし、2度の暴落の際、株価は2カ月~半年程度で回復している。

「株式相場は大きく下がることもあるが、後に回復する」という経験をしていると、今回のような大暴落に直面したとき「株式相場とはそういうもの」と考えることができる。投資経験の積み重ねは大事なのだ。

 今回は、投資経験が少なく、乱高下にハラハラしている人向けに今のような局面で覚えておきたい「3つの投資の鉄則」を伝授しよう。