なぜ日産「アリア」は大失敗したのか?ファンを失望させた経営陣の「最大のミス」とは
テスト車は前回と異なりバッテリー容量66kWh、前2輪駆動のベーシックグレード「B6」。ドライブルートは横浜~鹿児島間の周遊で、総走行距離は3959.8km。
改めて乗ってみると、カーナビやボイスコマンドなど旧態化が目立つ部分があるものの、清潔感の漂うインテリアデザイン、くつろぎ感あふれる独特の空間設計、静粛性の高さなど、日産がアリアのコアバリューとして作り込んだ部分に関しては、3年たった今も色褪せていないという感があった。
航続力が良好なのも印象的だった。充電は基本的にバッテリー容量が大きいほど有利で、66kWhのB6は、91kWhのB9にかなり見劣りするだろうというのが事前予想だった。が、電力量1kWh当たり何km走れるかを表す電力量消費率(燃費ならぬ電費)と急速充電受け入れ性のバランスが良く、実走テストでのB9との差は予想よりずっと小さかった。
横浜を充電率100%で出発後、鹿児島まで1400.9kmを走る間に行った、中継充電の総時間は130分。筆者が同区間をテストしたBEVの実績値としては、BYD「ドルフィンロングレンジ」(バッテリー容量58.56kWh)の120分、フォルクスワーゲン「ID.4」(同77kWh)の127分に続く3番手。遠乗りをしたいというユーザーニーズにも十分応えられる性能である。
横浜から鹿児島までのウェイポイントを記す。
1.四日市(三重県) 375km走行、投入電力量36.1kWh
2.姫路(兵庫県) 232.1km走行、同39.0kWh
3.廿日市(広島県) 275.8km走行、同36.1kWh
4.小倉(福岡県) 191.0km走行、同11.6kWh(10分)
5.八女(同上)96.4km走行、同43.0kWh
最後は八女から230.4km走行し、充電率18%で鹿児島に到着した。