受注停止が長期化する中、「本来なら大規模改良を行ってもいい時期なのに、初期型すら作れていないのでは時代遅れになる」と危惧する声が、販売現場のみならず日産社内からも出ていた。初期モデルの投資回収を諦めてでも、改良を行うべきだったと考える。
こうしたボーンヘッドの背景には、アリアを新生日産のアイコンにする初志を完徹できず、簡単になかったことにしてしまうボードメンバーの意志薄弱ぶりがあったと言っていい。開発陣が渾身の力を振り絞ったアリアは、間違いなくいいクルマだった。経営判断の誤りが悔やまれるばかりだ。
日産が、商品力を軸としたブランドパワー復活を目論むなら、こんな失態は二度と繰り返してはならない。






