脳梗塞につながる心房細動は…

 不整脈の中でも脳梗塞につながる心房細動は、追跡期間中に2万3526人が発症していた。この心房細動の罹患リスクも上記と同様の解析の結果、歩行速度が平均的な群では38%(HR0.62〔0.58~0.65〕)、速い群では46%(HR0.54〔0.50~0.57〕)、それぞれ有意にリスクが低かった。

 次に、加速度計のデータにより歩行時間を把握できた8万773人を対象とする解析が行われた。この集団では中央値7.9年(四分位範囲7.4~8.5)の追跡期間中に4177人が不整脈を発症していた。

 前記同様の交絡因子を調整後、高速での歩行の時間が長いこと(1標準偏差当たりHR0.93〔0.88~0.97〕)、および、平均的な速度での歩行の時間が長いこと(同HR0.95〔0.91~0.99〕)は、不整脈リスクの低さと有意な関連があった。一方で低速での歩行時間の長さは不整脈リスクと関連がなかった。

 なお、サブグループ解析からは、女性、60歳未満、非肥満者、高血圧罹患者、2種類以上の慢性疾患罹患者で、歩行速度と不整脈リスクとの関連がより強く認められた。また、媒介分析からは、歩行速度と不整脈リスクとの関連の36.0%を、肥満や代謝・炎症(BMI、総コレステロール、収縮期血圧、HbA1c、C反応性蛋白)によって説明できることが分かった。

 著者らは、「われわれの研究結果は、歩行速度と不整脈の関連性を示し、その関連に代謝因子と炎症因子が何らかの役割を果たしている可能性を示す、初のエビデンスである」と述べている。(HealthDay News 2025年4月16日)

https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/brisk-walking-lowers-risk-of-heart-rhythm-disorders

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