「リボ払い」は
蟻地獄の最たるもの
物を買うということには、本来、相当な決意が必要なはずです。新しい洋服を買おうというときでも、果たして買っていいかどうか、買うだけの価値があるのか、買って着ないと困るなとか、いろんなことを考えると思います。
以前から欲しかったスーツ1着が、仮に「80万円です」と言われたとき、現金で80万円を渡すのは、誰でも抵抗があるはずです。けれど、クレジットカードで払うと、それほどでもないかもしれない。
たとえばクレジットカードの支払いで、「毎月3000円ずつでこれが買えます」などという甘言を弄して、「リボ払い」なんてのを勧められることもあります。
あれこそ蟻地獄の最たるものです。確かに毎月の返済額は決まっているけれども、あれは一種の借金なので、しかもその利子はどうかすると十数%などという高利であることも珍しくないのです。だから、買い物の残高によっては、毎月の支払が利子返済にしかならないとか、いやいや利子分にも足りない、とかいうようなことが発生して、どんどん借金が増えていくことも珍しくありません。
そういうふうに、これは便利だと思うようなことには、必ず落とし穴があると考えておいたほうがよいと思います。
ですので、私はリボ払いなどは、決してやらない。
クレジットカードは使いますが、1回払い以外は使ったことがありません。
しかもまた、クレジットカードの分割払いというのは、利子が高い。金額や分割回数によって、そして会社によって異なりますが、年利12~15%というのが目安のようです。

銀行の定期預金の金利がだいたい0.02%前後ということを考えると、大変な数字だということがわかると思います。
だから「カードローンの過払い金を取り戻せます」という法律事務所の宣伝などが、今、盛んに流れているわけです。それは、結局、キャッシングは元より、クレジットカードのいわゆる月賦式の支払いでも、じつは相当高額な利子を払っているからです。
それよりも、自分の買える範囲のものを1回払いで、あるいは現金で払うというのがあるべき姿ではなかろうかと思うのです。だから、私は分割払いはやりません。「一遍にこれだけのものを買うのはちょっと厳しいな」と思ったら、「それはお金が貯まるまで買わない」という選択になるわけです。