
巨大テック企業は何か隠し事があるように振る舞っている。
それは法廷でも、世論に対しても、規模が大きくなりすぎた弊害を指摘する声への反論の助けになっていない。むしろ自ら墓穴を掘っているようなものだ。
その最新の例としてアマゾン・ドット・コムは、創業者ジェフ・ベゾス氏に不利な内容を含む、数万件の業務記録を不当に隠ぺいした疑いを巡り、制裁の可能性に直面している。これは米連邦取引委員会(FTC)が起こした訴訟に対して立場を擁護する中で起きた。
グーグルの場合、米ゲーム大手エピックゲームズが起こした訴訟で、サンフランシスコの連邦地裁判事はグーグルが証拠を適切に保存していなかったと判断した。米司法省が2件の重要な反トラスト法(独占禁止法)訴訟での勝利を受け、グーグルの分割を目指している中で、同社のこのような振る舞いは重荷となっている。
別の連邦地裁判事は最近、アップルの行為を司法省の判断に委ねた。法的調査から文書を隠ぺいしようとした疑いなどがある。
こうした不審な振る舞いは、巨大テックが自らの王国を守る戦術の一つとして目くらましに頼る傾向がある、というライバルや規制当局の訴えに新たな信ぴょう性を与えている。しかも法廷での彼らの行動は一見、多くの批判者の主張を裏付けている印象を与える。すなわち巨大テックは規制する必要がある、ということだ。
アップル、グーグル、アマゾンは個々の法廷闘争で、何も不正はしていないと主張する。アマゾンの例では、判事はこの件に関する判断をまだ下していないが、FTCによる非難はアップルが裁判所から叱責(しっせき)された直後に行われた。