また、何度か報告している引きこもりフューチャーセッションから生まれた事業アイデアの記事(第149回『「引きこもり」がビジネスになる可能性』)に対して、文末のアドレス宛てにも、たくさんの新たなアイデアや提案、感想をいただいている。
例えば、興味深いと思ったのは、ある当事者が「こういう仕組みなら自分も参加できる」と言って出してくれた「デリバリー引きこもりサービス」。言い換えるとすれば、「派遣型対話(対面)事業」だ。
まず、参加を希望する引きこもり当事者に登録してもらい、リストアップしてプロフィールを並べる。
利用者の対象は、基本的になかなか家から出ることのできない引きこもり当事者や家族。お客はリストの中から、来てもらいたい当事者を指名する。
発案した当事者によれば、利用者の対象は、孤独で寂しい思いをしている高齢者にも広げられる。
利用者側にとっても「引きこもりの人のリハビリ代わりのために呼ぶ」という大義名分が立てば、「自分が寂しいから呼ぶのではない」という言い訳にもなる。自らの収入につながるだけでなく、お年寄りたちにも若者の役に立っていると喜ばれ、一石二鳥ではないかというのだ。
さらに、医師や保健師などの専門家からの依頼も引き受けて、アシスタントとしてついていくことなどへの応用も効く。
もちろん課題もある。トラブル防止のため、同性同士に限定する。対話が難しい場合は、対面サービスということにして、何も話さなくてもOKにするなど、柔軟に対応していくこともできる。
冗談みたいな話だが、当事者は本気だ。