株主総会2025#13Photo:PIXTA

ここ数年、取締役の株主賛成率が80%を下回る“危険水域”入りが相次いでいる。株主総会ラッシュを目前に控えた今、特集『株主総会2025』の本稿では、不祥事、業績不振、過剰な政策保有株などを背景に、2年連続で賛成率80%未満の取締役23人を実名で公開。今年も株主から厳しい審判を受けそうな注目の顔ぶれとは。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

賛成率80%未満の経営トップが急増
“危険水域”取締役23人を公開

 株主総会シーズンが幕を開けた。今年の総会では、取締役選任議案に例年以上の注目が集まっている。

 三菱UFJ信託銀行によれば、日経平均株価構成銘柄(日経225)企業の6月総会における取締役選任議案の平均賛成率は、94~96%台で安定して推移してきた。

 一方、賛成率が80%を下回る議案数は近年増加している。議決権行使助言会社や機関投資家の議決権行使基準が厳しくなった影響で、21年に60件だった賛成率80%未満の議案数は、22年に82件と急増。23年以降は毎年90件を超えている。

 とりわけ目立つのが、経営トップの選任議案だ。80%未満の議案数は、21年にはわずか5件だったが、23年と24年はいずれも35件超。信任されて当然だった社長・会長クラスも、今やその座を脅かされる状況だ。

 そこでダイヤモンド編集部は、23年と24年に2年連続で賛成率80%未満となり、25年も選任議案に挙がっている取締役を調査。その結果、該当する23人が、6月17日以降の株主総会で再び信任を問われることが判明した。

 次ページでは、このような“危険水域”にある取締役23人の全実名を、賛成率が低迷する背景や株主総会の日程と併せて公開する。