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ほんの数年で「大幅定員割れ」から「定員超過」に転じた地方の単科大学がある。しかしこの大学、返済不要な奨学金などを国が支給する「修学支援新制度」の対象から外されてしまった。大幅定員割れを解消したのになぜなのか。連載『教育・受験 最前線』では、連載内特集『エスカレーター校 クライシス2』をお届けする。#15では、この“謎”を解明。また、過去3年において“大幅”ではないものの“定員割れ”歴がある86大学の実名リストを公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
地元女子大御三家の金城学院大
定員の8割を切る前に“大決断”
家庭の世帯収入などに応じて学生に返済不要な給付型奨学金を支給したり授業料などを減免したりする「修学支援新制度」は、国が2020年度から実施し、大半の大学で学生が利用できるものとなっている。
ところが24年度、私立大学に対する要件が厳格化され、その一つとして「直近3年度いずれかの在籍学生数が収容定員の8割以上であること」が満たせないと原則、対象から外れるようになった(救済措置あり)。これにより、対象外になる大学が続出した。
この制度の対象外になると、学生はさらに集まりにくくなってしまう。故に、全学年を合計した収容定員に対し在籍学生数がどれくらい埋まっているかを示す「収容定員充足率」(在籍者数÷収容定員)は、大学が生き残るために今まで以上に重要な数値となった。
そこでダイヤモンド編集部ではエスカレーター校を展開する学校法人が運営する250大学を対象に、過去3年分の収容定員充足率を算出した。
本特集#11では、3年連続で収容定員が8割未満となった30大学のリストを作成した(『消滅の瀬戸際に立つ大学がズラリ!3年連続で「大幅定員割れ」した30校の実名リストを大公開!!』参照)。このリストの30大学の中には当然、修学支援新制度の対象から外れた大学が複数ある。
8割を切る大幅な定員割れさえ起こさなければ、大学淘汰時代をこのまま生き残れる、というわけではない。
愛知で「女子大御三家」の一角を成した金城学院大学が他の学校法人の傘下に入り、共学化や将来的には大学統合も検討する方針が4月末に公表された(本特集#5『金城学院大が名古屋学院大と運営統合で共学化検討!最後に笑うのは愛知女子大御三家の「生き残り」椙山女学園大か?【御三家ほか裏成績表】』参照)。
金城学院大の収容定員充足率の推移を見ると、19年度105.8%、20年度104.1%、21年度101.4%、22年度93.9%、23年度96.0%、24年度92.3%、25年度85.3%。8割未満にはなっていない。しかし、ほぼ右肩下がり。今のままで生き残るのは難しいから、大きな決断を下したわけだ。
本特集#15の今回は、過去3年で、定員の8割を切るほど大幅ではないものの“定員割れ”歴がある86大学の実名リストを公開する。言い換えれば、過去3年で収容定員充足率が80%未満になったことがある69大学(本特集#11、#12、#13参照)、過去3年全て定員を超過した94大学(本特集#14参照)、そのどちらにも当てはまらなかった大学のリストだ。
この86大学の中に、修学支援新制度の対象から外れたところが1校ある。定員の8割を切っていないのになぜなのか。次ページでは、この“謎”を解明するとともに、大幅ではないものの“定員割れ”歴がある86大学の実名リストを公開する。







