ソニーは旧帝大、早慶が中心
パナは関西圏、日立は首都圏

 ソニーグループの24年のランキングでは、1位が東京大学、2位が慶應義塾大学、3位が東京理科大学だった。

 東京大学、大阪大学、京都大学、名古屋大学、九州大学といった旧帝大から採用しており、基礎研究・先端技術に強みを持つ理工系人材を中心に東京一極に偏らない全国規模での高度人材を集めている。

 また、多角的事業(エレクトロニクス、エンタメ、金融など)を展開する同社では、技術者に加えてマーケティングや経営企画系の総合職採用も多い。早稲田大学、慶應義塾大学のような文理融合の高度人材を育てる私大がそうした人材の供給源となっている。

 中核事業と親和性がある東京工業大学、東京理科大学といった理系大学からの採用も多い。

 パナソニックは、1位が同志社大学、2位が九州工業大学、3位が大阪大学だった。関西圏の大学が圧倒的に多く、文理を問わずバランスの取れた人材登用が目立つ。
 
 同志社大学、立命館大学、関西学院大学といった関西の有力私立大学(関関同立)からの採用が多い。関西発祥の同社にとって、地理的・文化的に親和性が高いことが大きな要因だろう。また、文系職(経営、営業、人事、広報など)にも一定の採用枠が設けられていることを示唆している。

 大阪大学、大阪公立大学もランクインしており、関西地域の高学歴・技術系人材を重点的に確保している様子がうかがえる。

 製造開発現場で即戦力となるエンジニア人材を獲得すべく、九州工業大学、東京工業大学といった理系大学からも採用している。さらに、早慶、中央大学など東京の有力私大からも幅広く採用している。

 日立製作所は、1位が早稲田大学、2位は東京工業大学と東京理科大学が同順位だった。首都圏の理系大学、私大からの採用が中心となっている。

 一方、大阪大学、東北大学、九州大学といった全国の旧帝大からも一定数採用されている。

 日立グループは社会インフラ、IT、エネルギー、ヘルスケアなど多様な事業領域を持つため、高度なエンジニア、研究職の確保のみならず、文理融合型の人材も求めている様子がうかがえる。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

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