
ドナルド・トランプ米大統領は7日、複数の国々に書簡を送付し、8月1日に発動予定の新たな関税率を通知した。同氏のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で公開された書簡によると、米国は25~40%の関税を課すとしている。
以下は、最初に書簡を受け取った国の一つである日本宛ての書簡にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が解説を付けたものだ。
内閣総理大臣殿
米日の 貿易関係(Trading Relationship) における強さとコミットメント、そして米国が 貴国との大幅な貿易赤字にもかかわらず(despite having a significant Trade Deficit with your great Country)、引き続き日本と協力していくことに同意したという事実を示すこの書簡を送ることは、私にとって大変光栄なことです。
WSJの解説:トランプ氏特有の表現で、肩書や固有名詞でなくても、強調のために特定の単語を大文字で表記している。
米国の2024年の対日貿易赤字は694億ドル(約10兆円)で、日本からの輸入が輸出を大幅に上回っている。同年の米国の貿易相手国の中で7番目に大きな赤字幅だった。
しかしながら、われわれはより均衡の取れた公正な貿易を条件に、貴国との関係を前進させることを決定しました。従って、われわれは貴国に対し、圧倒的に世界最大の市場である米国の素晴らしい経済に参加するよう招待します。われわれは日本との貿易関係について長年にわたり協議してきました が、日本の関税・非関税政策および貿易障壁によって生じた長期的かつ根強い貿易赤字から脱却しなければならないとの結論に至りました。
WSJの解説:トランプ氏の通商チームは、相互関税率を回避するための貿易協定について、日本当局と長期にわたり協議を行ってきた。しかし米国は、6月に貿易相手国への予告なく世界的な鉄鋼関税を倍増させたように、協議が進む中で関税を引き上げ、日本などの国との交渉を複雑にした。トランプ氏は先週、「書簡を送るだけだ」と述べた。日本側との協議を打ち切ったとみられる。
残念ながら、米日の関係は相互主義からはほど遠いものとなっています。2025年8月1日から米国は日本に対し、分野別関税とは別に、米国に輸入される全ての日本製品にわずか25%の関税を課します。
WSJの解説:トランプ氏は4月2日に「解放の日」と称して、日本を含む数十カ国に対する相互関税率を発表した。10%の基本関税に上乗せする税率は、ホワイトハウスが貿易上の悪質な行為者と見なす国を対象としていた。