早慶・東大が3強
文理融合型の採用も
三井不動産の24年のランキングでは、1位は慶應義塾大学と早稲田大学が同順位、3位が東京大学だった。
早慶でそれぞれ11人が就職しており、私大の中でも総合力を備えた両校が突出している。いずれも都心にキャンパスを持ち、不動産開発・都市計画分野に関心を持つ学生が集まりやすい土壌がある。
東京大学が6人と、国立大学の中では最多。特に都市工学・建築・経済分野での強さや、グローバルな企業戦略に対してリーダーシップを期待されての採用と考えられる。
他に、東京工業大学(現・東京科学大学)、京都大学、東北大学、大阪大学、九州大学といった全国の優秀な国立大出身者をバランスよく採用している点がうかがえる。これは、三井不動産が文系のみならず、再開発や不動産テック領域における理工系人材も重視していることを示唆している。
青山学院大学、立教大学といったMARCHクラスの私大からも採用されている。
三菱地所は、1位が慶應義塾大学、2位が早稲田大学、3位が東京大学とトップ3は三井不動産と同じ顔ぶれだった。早慶・東大の3強ぶりがうかがえる。
また、京都大学、東北大学、大阪大学、北海道大学、九州大学など、全国の国立大学から優秀層をバランスよく受け入れている点がうかがえる。
これは、全国の再開発事業や都市開発に取り組むうえで、多様なバックグラウンドを持つ人材の確保を意識している可能性がある。
私立大学では、上智大学、明治大学、青山学院大学、明治学院大学、関西大学、日本大学など幅広い。特に、MARCHや関関同立の一角を占める大学が含まれており、幅広い層に門戸を開いている姿勢が感じられる。
また、東京工業大学、一橋大学、東京学芸大学、千葉大学など、理工系・教育系・経済系と専門分野が分かれる大学からも採用があることから、文理融合を意識した人材確保が行われていると推察できる。
両社とも、不動産・都市開発という総合力が求められる領域で、多面的な能力やバックグラウンドを重視していることがうかがえる。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。