そしてすき家にはうなぎメニューがもうひとつ。特うな丼1680円があって、これがうなぎの量は世の中の鰻屋さんと同じ半尾分。顧客はお腹のすき具合と懐具合を考えながら、3つあるメニューのうちのどれを選ぶかを考えられる設定です。
さて他のチェーン店とのうなぎと比較してみましょう。牛丼のライバルである吉野家の鰻重は「鰻が大きくなって登場」とメニューに書かれている通り、今年の鰻重は一枚盛つまり半尾ながら使用するうなぎのサイズが大きくなっています。
これで店内価格は税込で1251円ですから、すき家の特うな丼よりも価格は安い設定です。
吉野家の戦略としてはあくまでうなぎメインの顧客に対してボリューム感のある鰻重を提案するやり方のようです。消費者も「せっかくうなぎを食べるのであればやはり半尾が基本だ」と考える層は主流でしょう。
その層に対して同じ量ならすき家よりもかなり安価に提供する。牛小鉢セットも選べますが基本はうなぎを食べてほしいというメニュー設定が吉野家の考え方のようです(記事末に吉野家「鰻重」の検証画像あり)。
対比する形でもうひとつ、うなぎの格安チェーンとして知られる宇奈ととを見てみましょう。
一番格安なうな丼が640円、看板メニューのうな丼ダブルが1200円とかなりお手頃価格なのですが、うな丼の上にのっているうなぎの長さがさらに短いように思えます。
宇奈ととの場合、鰻が丸ごと一匹のっている「ビックリ重」2700円というメニューがあるのですが、そこには「鰻の量はうな丼の約4.5倍」と書かれています。つまり、うな丼のうなぎの量は4分の1尾ではなく4.5分の1尾とやや小さめになっている訳です(記事末に宇奈とと「うな丼」の検証画像あり)。
宇奈ととの場合は専業店ということで、残りの0.5尾分のうなぎはひつまぶしやうな玉丼など鰻のかば焼きを細かく刻んだメニューにも利用できます。牛丼チェーンとの違いがもうひとつあります。宇奈ととは専門店だけあって炭火でこんがりと鰻をかば焼にしてくれる。ここが大きな違いでしょう。