東洋大学の就活事情

 就職・キャリア支援部が、全国の企業を地道にドサ回りするなど、熱心なバックアップ活動に尽力してきた東洋大学。近年、学内外での評価も上がり、JRや旅行会社、食品メーカーなど大手から内定をもらう学生が徐々に増えてきている。

 過去10年の「実就職率」では、日東駒専の中でトップの座をほぼキープ。大学と学生がうまくタッグを組んで、就職活動に取り組んでいる。公務員試験や、社会福祉士の合格人数も多い。学部ごとに専門的な学びがしっかりとできており、学生自身が学んだ分野での就職をめざすため、企業ともうまくマッチングされている印象だ。就職支援相談室の評判も高い。

「社会人の人と話すと、東洋大のOB、OGで活躍している人も多いことがわかる。大学のネームバリューは無視できないけど、自分自身が何をするかが大事だと思う」(社会学部生)との声も。

駒澤大学の就活事情

「学生の数に対してスタッフの数が少ない」という声は多く、キャリアセンターへ熱心に通う利用者はごく少数。就活意識の高い学生は、各学部で「就活に強い」と評判の特定のゼミを希望する。

 大手から内定を獲得する一部の学生は、そういったゼミに所属して仲間と切磋琢磨してきた学生が多い。就活が本格化すると六大学あたりとの差を痛感させられるが、そもそも対抗心は薄い。「中堅の上場企業ならなんとかなる」(経済学部OB)といった気分の結果、4年次の終わりまで就活を続ける羽目になる学生も多い。

 大手企業の内定者は少ないが公安系には実績をあげており、警察官や消防官、自衛官のほか、高校教員になる人も少なくない。

 協調性が評価されてか、中堅企業には評判がいい。駒澤らしく、坐禅を通して自己分析を行うミニガイダンスもあるのがユニークだ。就職ガイダンスや企業が学校に来て企業説明を行う職種研究の際は、必ず学生全員が立って挨拶し、企業からも「駒大生は挨拶ができる」と好印象の模様。良くも悪くも、「こんなもんかな」という適応力が駒大生の一番の力と言える。