「負け組ランドセル」と揶揄する人が
知らない配達員の「心の充足」
一部の人から「負け組ランドセル」と揶揄されるなど、ウーバーには悪いイメージが根強い。過去にあれだけ数多くのマナー違反を目撃されたのだから、これは致し方ないと思う部分もある。しかし、だからこそと言うべきか、人間として対等に接してくれたり、偏見なく評価してもらえたりする瞬間が僕はたまらなく好きだ。
カッコイイ大人たちの姿を自分も見習いたい……。先日とあるマンション(複数棟ある)に配達した際、小学生くらいの男の子が「お兄ちゃん、道わからないの? 僕が教えてあげる」と道案内をしてくれた。正直なところお届け先はわかっていたのだが、これはチャンスだと思った。
道案内が終わったタイミングで、僕は「教えてくれてありがとう。お礼にお小遣いあげる」と50円玉を2枚プレゼントしてみた。その子からは「やったあ!」「お兄ちゃんありがとう!」と笑顔で返されたのだが……。なぜだろう、小っ恥ずかしい気持ちが生まれた(カッコイイ大人への道のりは、なかなかに険しそうだ)。
ご覧の通りウーバーの現場では、想像以上に「ありがとう」の言葉で溢れている。今この記事を読んでくれているアナタも、雨の日や風邪のときにウーバーを利用して、配達員にお礼を伝えた経験があるかもしれない。たくさんの方々からいただく「ありがとう」の言葉は、僕たち配達員にとって最高の報酬だ。
ウーバー配達員として働いている僕が、最も印象的だったお客様とのエピソードがある。その人には奇跡的に計3回、配達に伺った。その人は女性で、年齢は30代後半くらい。中古販売価格で2億円を超えるマンションに住んでいた。
借金まみれのウーバー配達員に友達申請!?
2億円マンション住人の「おもてなし」の数々
彼女と初めて対面したのは、たしか8月。次に9月。その次が11月だ。