
石破首相はギリシャを例に日本の財政事情の悪さを訴え、人々は長期金利の上昇に対して懸念を抱いたが、この考え方は誤りだと米著名投資家ケン・フィッシャー氏は指摘する。日本の政府債務はインフレで解決に向かい、長期金利の上昇は新たな強気要因となることを解説する。
石破首相の誤った見解
日本はギリシャではない
石破茂首相には申し訳ないが、日本の財政に関する彼の見解は間違っている。日本は次のギリシャではない。

彼の債務懸念は誤った脅威である。長期金利の上昇は良いことであって、悪いことではない。今から説明する私の考えを理解すれば、ほとんど誰も気づいていないポジティブな現実が見えてくるはずだ。
石破首相の発言は政治的な策略であり、トランプ関税を相殺するための財政刺激策という考えに対して彼が否定的であることを、私はもちろんわかっている。ただ、参議院選挙の結果を見ればわかるように、彼の策略は失敗であった。
しかし日本政府の債務に関しては、長年にわたり恐ろしいささやきが付きまとってきた。日本政府の債務残高は、今や1000兆円を超え、GDP比で235%に達している。第2四半期には、こうしたささやきがヘッドラインで叫びに変わった。
石破首相は、議論されている減税のリスクが高すぎると主張し、日本の財政状況は「ギリシャより悪い」と述べ、2010年代のギリシャの債務危機を引き合いに出した。彼の発言後、長期金利は2008年以来の高水準に上昇し、債務返済能力への懸念を煽った。多くの人が、こうした上昇が続けば、株式や債券が大打撃を受けると警告した。