
丸紅は今年2月に公表した2027年度までの3カ年の中期経営計画で、2030年度に時価総額10兆円超とする業界では異例の目標を掲げた。長期連載『経営の中枢 CFOに聞く!』の本稿では、丸紅の古谷孝之代表取締役専務執行役員CFOに時価総額目標を掲げた理由に加え、企業価値評価をどう上げていくのかについて聞いた。また、投資方針や投資規律の考え方や過去に課題だった財務基盤の現状についても解説してもらった。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
年率10%の利益成長で高ROEを維持へ
30年に時価総額10兆円超を目標に
――今年2月に2027年度までの3カ年の中期経営計画を発表しました。財務面での重要業績評価指標(KPI)とは。
財務戦略は今回の中計である「GC2027」を見ていただいてもわかると思いますが、財務の戦略というよりも経営戦略そのものなんです。われわれの軸は変えておらず、これまで進めてきたことをアップグレードしています。
そういう観点で、丸紅のビジネスモデルや事業ポートフォリオを考えた場合、自己資本利益率(ROE)が最重要のKPIです。「GC2027」では定量目標として27年度に(一過性要因を除いたベースで)連結純利益6200億円以上、総還元性向40%程度などと並び、ROE15%を掲げています。高い資本効率は丸紅の強みですので、それをしっかり維持していきます。
ROEは株主資本に対するリターンですので、維持していくというよりは、利益を成長させないといけません。中計では(10%増益で達成できるのを見込んで)総還元性向の目標を40%に引き上げました。ですので、ROEを15%にするには利益を10%ほど上げていく必要があります。10%の利益成長を続けることで、27年にROE15%を維持できると考えています。もちろん、利益成長はそれ以上を目指していきますが。
30年に向け、今回初めて時価総額10兆円を目標に掲げました。そのためには高いROEの維持に加え、利益成長と企業価値評価の向上で時価総額をしっかり上げていきます。
――総合商社で時価総額を目標に掲げるのは珍しいですね。
次ページでは、古谷CFOが時価総額10兆円を目標に掲げた理由と、それを達成するための方策を解説する。また、30年の利益水準のイメージなども明らかにするほか、投資規律や財務基盤の現状などについても解説する。