教育・受験 最前線#21Photo:PIXTA

私立大学の歯学部全体で、6年生の約4割は在学中に一度は留年や休学を経験している。この6年次の留年・休学率は、大学によっては6割近くに達する。連載『教育・受験 最前線』では、全国歯学部の実力と経営にランキングで切り込む「歯学部ランキング」を複数回にわたってお届けする。第3回は全国私立17歯学部について、過去5年間のデータを基に「留年・休学率」ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

「国試ストレート合格率」が低い理由
なぜなら「留年・休学率」が高い!

 私立大学の歯学部を受験する場合、入試難易度だけでなく、入学後の6年間で歯科医師の国家試験に合格する割合を示す「歯科医師国家試験ストレート合格率」にぜひとも注意を払いたい(『歯学部「国家試験ストレート合格率」ランキング【全国私立17歯学部】2位昭和医科、3位日本歯科、“意外”な4位と5位は?』参照)。入りやすくても、国試にストレートで合格できなければ、時間もカネも余計にかかるからだ。最悪、歯科医師資格を諦める決断を余儀なくされるかもしれない。

 国試ストレート合格を目指す者に幾度となく訪れる壁、それが「留年」だ。大学の中には、世に広く伝わる大学別の国試合格率を高く見せたいがため、国試合格の見込みが薄い学生をなかなか進級させないところがある。留年を何度も重ねると、退学を迫られたりする。留年しても勉強についていけず、学費が膨らんで、自ら去る者もいる。

 しかるに、国試ストレート合格率とともに、留年率も受験先選びではチェックしておきたい指標だ。私立大学の歯学部全体で見ると、6年生の約4割が在学中に一度は留年や休学を経験しており、この「留年・休学率」は大学間で差が大きい。

 そこでダイヤモンド編集部では、私立大学17歯学部を対象に、過去5年間のデータを基に「留年・休学率」ランキングを作成した。6歯学部では、6年生の過半数が在学中に留年・休学を経験。留年・休学率が最も高い歯学部は5年間平均で59.0%、最も低い歯学部は22.9%となった。次ページでは、ランキングを一挙公開する。