
日本の男女平等度は世界118位
デジタル人材の女性割合は2割未満
男女間の不平等を是正する取り組みを日本は続けてきたが、それでも日本は世界と比べればなおジェンダーギャップが大きい遅れた国だ。
例えば、世界経済フォーラムのグローバル・ジェンダーギャップレポート(2025年6月)によれば、1を平等としたとき日本のスコアは0.666で、これは調査対象148カ国中118位という低さだ。
単純には捉えられないが、欧米と比較して家父長的な色彩が残る東アジア諸国の中でも、日本の不平等さは目立っている。少しずつ改善はしているのだが、諸外国も普遍的な規範としてジェンダーギャップの縮小に取り組んでいるため、日本の相対的な位置は後退傾向にすらある。
日本の場合、個別の課題としては、政治分野で女性の少なさが目立つこと、企業での女性管理職が依然として少ないこと、女性の専門職・技術者が少ない点などが挙げられる。
最近では、女性の労働力率(人口に対する労働力人口の割合)は上がっており国際的にも遜色のない水準になった。だが、女性が希望に応じて十分に働けるようにすることが、人権や両性の本質的平等の観点から要請される中、まだまだ問題が残っている。
まず、非正規雇用の割合が男性に比べて女性は圧倒的に高い。また職種を見ても、女性の就業が多いのは、介護や看護、事務職などだ。とりわけ年収の多いIT分野などのデジタル人材は男性に偏っており、女性が占める割合は2割未満だ。
さらに、一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の生涯賃金でも女性は男性より7200万円少ないなど、女性が置かれた状況が男女間の賃金格差の大きさに表れている。
女性の就業の多い医療・介護やサービスでデジタル技術の導入が遅れていることを考えれば、デジタル分野が女性活躍の舞台の一つである。DX(デジタルトランスフォーメーション)を担う女性のデジタル人材をいかに増やすかが女性の経済的自立を実現する鍵だ。