ゴールドへの熱狂は破綻への第一歩、米著名投資家が暴く金投資の「不都合な真実」Photo:PIXTA

金(ゴールド)は世界株式を大きく上回る急騰を見せているが、この熱狂的な高値追いはポートフォリオを破綻させかねない典型的な過ちであると、米著名投資家ケン・フィッシャーは断じる。長い歴史やデータから、金は株式より高いボラティリティで債券並みのリターンしか生まないといった不都合な事実を明らかにする。

金を追いかけることは
ポートフォリオの破綻へ

 2025年の金(ゴールド)の力強い上昇を追いかけるのは、ポートフォリオを破綻させる典型的なパターンである。

 金は輝き続けるだろうか。この輝く黄色い金属は、9月22日までに円建てで36.4%上昇、ドル建てでは45.0%上昇と、MSCI世界株価指数や東証株価指数(TOPIX)の3倍を優に超える。こうした状況が、日本や世界で続くインフレへの懸念、貿易問題、日本の財政懸念と相まって、多くの投資家にとって金の魅力を高めている。

 しかし、注意が必要だ。金投資には極めて正確なタイミングが要求される。株式投資のタイミングを計れないのであれば、金に手を出すべきではない。